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少し気楽に

秋らしく活動しやすい気候になってきました。
こんなときは、散歩をしたり、オープンカフェで読書したいものです。

こうやって「~したいものです」と言っても、なかなかしないのが自分。
長年「自分」とつきあっているから、よ~くわかっているのですが、他のかたに「散歩でも・・・」などと勧めても、自分で実行に移すのはせいぜい1週間に1回ぐらい。
カフェで読書なんてひと月に1回くらい。

この歳になって、これではいけないと思い始めているところです。
動けないという意味ではなく、のんびりできないのです。

森田療法の悪影響でしょうか(笑)、休みの日でも朝から「やることリスト」を作り、今日中に家のあそこを片付け、この本を読み図書館に返して、用事があるからあそこに出かけ、そのついでにあそこで買い物をして・・・と、忙しく計画を立てる。
毎日が「やることリスト」の計画で埋まっております。

この頃わかったのですが、どうも私は忙しくしていないといられない人のようです。
「目的意識」が好きなのか。
忙しいという「感じ」で充足しているのか。
「感じ」と言ったのは、忙しくても、必ずしもものごとがはかどっているわけではないからです。

最近やっと、夜の時間は何もせず、ストリーミングサービスでドラマを見るということを「自分に許す」ようになってきました。
「自分に許す」というのは、以前もこういうことをしていたのですが、どこか「罪の意識」があったのですね。
この罪の意識は何なのでしょう?
遊ぶことに対して罪悪感があるんでしょうか?
ワーカホリックなのでしょうか?
自分の時間は有意義なことに使わなければならないという観念がこびりついていたのでしょう。

結果、現実にはダラダラ遊んでいたのですが、心から楽しんでいないような・・・そんな感じがありました。
そのようなかたも多いのではないかと思います。

本日はそんなかたがたのために本をご紹介します。
特に「うつ」的な人には読んでほしい本です。

「あやうく一生懸命生きるところだった」(ハ・ワン著)。
もう2年ほど前に日本でも評判になった本ですから、いまさらの紹介ですが。
韓国でも日本でもベストセラーだったそうです。

著者は、韓国の芸大のような最高峰の大学に何年も浪人して入学し、イラストレーターとして身を立てるべく一生懸命生きてきた。
ところが、一生懸命努力しても、報われるどころか、どんどん苦しくなっていくような気がする。
そして40歳にして「今日から必死に生きないようにしよう」と決心するのです。

気楽に読めて、なるほどと思える言葉がたくさんあります。

「時間は、何かをしてこそ意味があるわけではない。/時には、何もしない時間にこそ大きな意味がある」
「偶然の楽しみでいっぱいの目的のない一歩。/これこそが人生を豊かにしてくれる醍醐味なのかもしれない。」
「我慢してやみくもに努力することだけが能力ではない」
「答えを出すことだけに集中し、問題を解く楽しさを忘れてはいないだろうか?」
「人生は『答え』じゃなくて『リアクション』が重要な試験なのだから」

森田の「努力即幸福」という言葉を思ったりしました。(皆さんは努力即幸福のちゃんとした意味、ご存じですよね?)

読むと気持ちが軽くなりますよ。


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気楽になりたい、けどなれない

私も、「やることリスト」を作っています(笑)
「忙しくしていないといられない」、「時間は有意義に使わなければならない」など、とても共感します。

『あやうく一生懸命生きるところだった』は、私も一部を読みました。
読んだら、とても気持ちが楽になりました。
しかし、それは一時のことで、すぐにそうはしていられない自分がいました・・・。

なので、残念ながら、この本は立ち読みで終わりました(笑)

私も手帳に空白があるとつい埋めてしまい、忙しいことが充実していると勘違いしてしまうタイプです。詰め込みすぎて実行不可能になることもしばしば。いかんです。でもやりたいことが山のようにあるのも事実。人生残りの時間を考えてそろそろ絞り込まねばと思う今日この頃ですが、できない…むしろ増やしている自分がおります。

努力即幸福

はじめまして。
突然のコメント失礼します。
毎回楽しみに投稿読まさせて頂いています。

努力即幸福の本当の意味、教えて頂きたいです。

恥ずかしながらコメントさせて頂きました。

Re: 気楽になりたい、けどなれない

でこぽん様 コメントをありがとうございました。どうも気楽になりすぎてしまったようで、返事が遅くなり失礼いたしました。私も読んだ当初は、すごく気が楽になりました。でもやはり「やらなくてはならないこと」が頭をだんだん頭を占領するようになってきました。人間ってそう簡単に変化しないし、こういう本を読んだという経験がそのうちどこかで生きる、ぐらいの軽さでいいのかもしれません。

Re: タイトルなし

みき様 コメントをありがとうございます! たしかに人生は短いのに、やりたいことは山ほどありますね。私は仕事に偏っていた生活を反省し、「何が本当にやりたい?」と自分に問うようにしています。有意義ではなくてもいい、楽しければいいんですよね。

Re: 努力即幸福

なかしん様 勇気を出してコメントしてくださり、感謝です。「努力即幸福」は、現代から見ると言葉の感覚が古くて、わかりにくいですね。森田が言いたかったことは、何かのために努力したとき、その「結果」は大事ではない。その努力のプロセスのなかにこそ喜びがあるという意味だと思います。たとえば、試験のために努力したけれど、結果としては落ちてしまった。しかし、結果は私たちの意のままになるものではない。むしろ何かを目指して努力していたときの自分の生命力の発揮こそが、幸福であるということです。コントロールできないもの(結果)に自分の人生を支配されないとも解釈できます。

努力即幸福について

ご回答ありがとうございます。
ご丁寧に説明してくださり、勉強になりました。

資本主義社会では結果を求められることが多々あり、苦しんでおりました。
プロセスの中で成長している自分に気づくことが大事なのかなと思いました。

また岩田先生の流れと動きの森田療法等読ませて頂いて、何度も助けて頂きました。
まさかお返事が頂けるとは思っていませんでした。
ありがとうございました。

努力即幸福について

ご回答ありがとうございます。
ご丁寧に説明してくださり、勉強になりました。

資本主義社会では結果を求められることが多々あり、苦しんでおりました。
プロセスの中で成長している自分に気づくことが大事なのかなと思いました。

また岩田先生の流れと動きの森田療法等読ませて頂いて、何度も助けて頂きました。
まさかお返事が頂けるとは思っていませんでした。
ありがとうございました。
プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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