消えていく風景

この頃街を歩いていて、ふと思います。
以前の街並みが思い出せない。

都会は変化の激しいところです。
この建物はずっとあるだろうと思っていたのに、気がつくと別の建物になっていたり。
そういうことが、頻繁に起きます。
飲食店が別の飲食店になっていたりなどということは、日常茶飯事。

以前、御茶ノ水女子大の近くに、剥製(はくせい)のお店がありました。
剥製のお店ですよ!
今考えると、大通りに面して動物の剥製のお店があったなんて、実に不思議な感じがします。

記憶を探ってみると、その剥製のお店と蕎麦屋と、謄写版屋(記憶が曖昧)の、昭和レトロな(どちらかというと汚い)建物が三軒並んでいて、ちょっと人目をひく一画でした。

あのときに写真を撮っておけばよかったと、つくづく残念です。
蕎麦屋はまだ残っているので、消えたのはそんなに昔ではないのでしょう。

古い建物なので、放っておくと危険ということなのでしょう。
耐震の建物をふやそうという政策も後押ししていると思います。

小売店というもの自体が、生き残れなくなっています。

オフィスの近く、サッカーミュジアム通りのお肉屋さんが閉店しました。

今どきお肉だけ売っているお店というのも珍しかったのですが。
小学生などが時々、そこでコロッケを買っておやつにしているのを見かけました。
そういう風景って、昭和の東京でもよく見かけたものです。

お肉屋さんの前には、コンビニが閉店。
その何年か前には、スーパーが閉店。
もともとドラッグストアもありません。
かろうじて魚屋さんは残っています。

つまり大型店舗に侵食されているわけでもない。

なのに新築マンションは増えています。
引っ越してきた人たちは、どこで買い物するんでしょう。
まさかAmazonでコロッケは買えませんよね。

門前町は栄えると教科書で習ったけれど、湯島天神のあたりも栄えているとは言えない。

そうそう、サッカーミュジアムも、大きい建物ですが静かですね。
エントランスでお客さんが並んだのは、なでしこジャパンがワールドカップで優勝したときだけ。

ちょっと不安に思うのですが、もしかしたらワールドカップって来月ではなかったでしょうか?

前回のワールドカップのときは医科歯科大や順天堂大の壁面に、選手の全身像が大きく張り出され、ミュージアムには監督の顔がでかでかと張り出され、大騒ぎだったような記憶があります。
今年はこんなに静か。大丈夫なんでしょうか?

東京の風景は、近代的な美しいビルへと移り変わっていきます。
でも繁華街を除けば、歩いている人はそう多くない。

東京やその近郊を歩くのは好きなのですが、風景は刻々と移り変わっていくようです。

それがどういう意味を持つのかを考えるのは、ひとまず脇に置いて、せめてその風景や建物を写真に撮っておけばよかったと残念に思うのです。


街角
 
表参道付近にて
 

プチ災害体験

前回、自然災害の話を書いたら、自分でもその怖さを体験してしまいました。

何日か前、首都圏で暴風雨がありました。

その日は、その時間にオフィスに行く予定。
ところがスマホを見ると「竜巻注意報」。豪雨、雷、竜巻に注意と・・・。
しかし出かけなくてはなりません。

一応、豪雨のときには地下鉄は危ないと判断し、タクシー乗り場に向かいました。
その時点で雨はまだ降っていなかったし、時間もたっぷりありました。

タクシーが走り出した途端雨が降り始めました。
そしてたった数分のうちに、雷が鳴り、雨は土砂降り、風は吹きつけるという状態に。
車が走っているうちに雨量は増し、車のフロントガラスから前が見えなくなるくらい。

しかし運転手さんはとまらない。
走り続けました。

あたりを見ると、道路はなんだか川のようになっています。
そして信号待ちをしているとき、突然、ガンッ、ボコボコとすごい衝撃音が響きます。
なんと、タクシーの車体を雹(ひょう)が直撃!
車の屋根を破りそうな勢い。

ここにきて、「ちょっとこれはまずいんじゃないの?」という怖さが迫ってきました。
外を見ると、建物のなかに避難した若者たちが、笑いながらスマホで雹の写真を撮っている。
「そんな場合?!」と思うが、確かに危険なのは彼らではなく、雹と雷のまっただなかにいるこの車のほうです。

道路の水かさは増し、私は今走っているこの道路が暗渠であることが心配になりました。
暗渠がどう危険かはわからないのですけれど、昔から水の集まる場所だったことは確か。

運転手さんに声をかけ、彼も何か答えているのですが、なにしろ雷の音、雹の音、風の音で、車内でも会話は成り立たない。
相手の声がいっさい聞こえないのです。

「もし危険だったら止まってどこかに避難していただいてもいいですよ」と言ってみたけれど、車がどこに避難できるのかはわからない。
「この道路、昔は川だったから、一本向こうの道路を走ったほうがいいのでは?」という声は届いたようで、彼も「そうですね」と答えるけれど、右折できるところがないらしく、車はそのまま雨と風のなかを走り続ける。

道路はだんだん川のように見えてくる。

どうも頭のなかには、つい最近見た九州水害で、車が流されていく場面などがちらついてしまいます。
車がここで流されたらどこに行くのかなどは、まったく想像できないけれど、「私は泳げない」という危険信号が点滅。
もっとも泳げたとしても、急流では何の役にも立たないと思うけれど。

いろいろ想像をたくましくして自分の恐怖をあおっている間、車はおかまいなく走る、走る!
そうこうしているうちに、雹は激しい雨に変わり、そのうち雨の勢いが少しずつ鈍くなってきました。

そしてタクシーは無事オフィス前にたどり着きました。
運転手さんはストップせずに果敢に運転し続けました。
時間は20分ほど。
局地的な雨だったから、この判断は正しかったようです。

オフィス前に降り立った私は、奇跡的にまったく傘を使うことなく、濡れてもいませんでした。
今までのあれは何だった? そんな天気の急変ぶり。
なんだか遊園地の絶叫マシーンから降り立ったような感じ(笑)。

でもやはり、「明日は我が身か」ということがリアルに感じられた20分間でした。


雨

旅のトリビア

旅に行くと、細かなことでも、自分の国と違うところが面白く感じられるものです。たいしたことではないのだけれど、どうしてこういう違いが出てくるのかと考えたりするのも面白い。

今回も細かなところで、英国ではそうなのね、と面白く感じることがありました。

ロンドン見物の際、大英博物館にも行きました。
ここでびっくりしたのは、博物館のなかでは、撮影も模写もOKだということ。荷物検査はあるようですが。

世界の秘宝が集まっているところなのに、なんだかのんびりしています。
彫刻の下に座り込んで模写している画学生らしき人がたくさんいます。
どんなにカメラやスマホでシャッター切っても、とがめられることはありません。

ここで思い出しました。上野の博物館や美術館に行ったときのこと。
写真なんてもってのほか、顔近づけてもダメ、水飲んでもダメ。
それに比べて英国は鷹揚です。

日本では、いろいろな国の美術館などから借りてくることが多いので、ピリピリするのでしょうか。
大英博物館は、全部自分のものというゆとりでしょうか。

鷹揚と言えばもうひとつ。飲み物の話。
レストランやパブ、スタバなどで飲み物を頼むとき、どこでも大きなコップに縁までなみなみと注いでくれるのです。
席まで持って帰るのがむずかしいくらい。

私は冷たいものが飲めないので、いつも「氷抜きで」と頼みます。
日本だと、ジュースを氷抜きで頼むと、コップの三分の二くらいになって、なんだか情けない感じになります。
でも、イギリスでは「氷抜き」と言ってもコップの縁くらいまで注いでくれる。
鷹揚です。

食べ物も一皿がとても大きい。で、野菜が少ない。
最初の日にパブで「バーベキュープレート」というのを注文したら、鶏、牛、豚、羊がいろいろな焼き方で盛り合わせてありました。
「日本では刺身盛り合わせだけれど、こっちでは肉盛り合わせなんだね」と言いながら食べました。

イギリスの料理はまずいという評判がありますが、これは店を選べば大丈夫らしいです。世界中どこでもそうですが。
ただ、私たちは、ロンドン以外は殆どエクセター大学の「学食」だったので、イギリス料理のことについては何も言えないかな。

イギリスの街はすっきりした印象がありますが、これは建築物の色彩が皆殆ど同じだからでしょう。
広告は規制されていると聞きました。
建築物についても、多分何か法律があるのでしょうね。
同じような色の同じような家が並んでいます。

ロンドンからエクセターまでバスで行ったのですが(バスで四時間)、エクセターの住宅街には、同じ造り、同じ色彩のテラスハウスが延々と続いていて、ある意味壮観でした。

私のような重度方向音痴の人が住んだら、自分の家にたどりつけないかもしれません。
だってずっと同じ建物が続く同じ風景なんですから。

方向音痴のせいではないのですが、なかなか学会まで到達しない・・・
いつになったらたどり着くのでしょう。

今日はこのへんで。


モアイ モアイ像 小ぶりですがホンモノです。

大英博物館  
大英博物館のなか  ちょっとイメージと違いました。

イギリスへ行ってきました

しばらくブログをご無沙汰してしまいました。

実はイギリスへ行ってきました。
エクセター大学で開催された「国際森田療法学会」に参加するのが目的です。

私はイギリスは初めてです。

でも考えてみれば、英文学には昔から親しんできました。
シェイクスピア、ウィリアム・ブレイク、コナン・ドイル、アガサ・クリスティ、ジョセフ・コンラッド、ブロンテ姉妹・・・漱石を通してのロンドンの風景。

それにイギリスの音楽にも。
もちろんビートルズ、ローリング・ストーンズ、アデルそれにマイク・オールドフィールド。

私としてはマイク・オールドフィールドにアディクションしていると言ってもいいほどなので、イギリスの空気のなかで彼の音楽が聞きたい・・などと思っていました。

イギリスの田園風景を目にしたときには、この風景、この空気感があの音楽を生んだのね・・・と感慨ひとしお。

いや、学会の話でした。
国際森田療法学会は三年に一度開催されます。
私が出席したのは、9年前のカナダと、6年前のオーストリア。
3年前のモスクワは出席しませんでした。

今回はデボンシャーのエクセター大学内での開催。大学の夏休みを利用しての開催です。

学会の地、エクセターに行く前には、ロンドン見学もしました。

ロンドン見物はざっとでしたが、EU離脱で変化しているのかどうか、やたら観光客が多かった。
ポンドが安くなっているからでしょう。

どうも今思い起こしてみると、イギリスでは動物たちにたくさん出会った印象があります。

道には騎馬警官。
公園には鳥たち、リスたち、リースを離れて遊んでいる犬たち。
大学の構内には、カモメ、鳩、野ウサギ。
高速道路から見る景色のなかに人はおらず、牛、羊、馬たちがのんびりと草をはんでいます。

きっとベストシーズンだったのでしょうね。
冬になると、まったく様変わりするのかもしれません。

バッキンガムやロンドン塔の写真では、観光絵葉書みたいになるので、下にロンドンで出会った動物たちを。
(稚拙なスマホ写真ですが)

学会のことは次回書きます。

ケンジントンパレスの鳥たち 
ケンジントン・ガーデンでは、鳥と人間が共存

ロンドン馬 バスの前に悠々と騎馬警官

夏の休暇中です

しばらくブログを更新できずにいました。

明日から9月6日まで夏季休暇とさせていただきます。

ご連絡いただいても、お返事ができませんのでご了承ください。

また旅から英気をもらって、帰ってきます。
プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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