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神経質あるあるーー全部自分のことになる

神経質症(不安障害)のカウンセリングをするときには、神経質性格の特徴を知り分けていることが必須になります。

私は今までたくさんの(数千人?)の神経質のかたとお会いしてきました。
もちろんクライエントさんはそのなかの一部のかたで、あとは友人、グループメンバー、職場の同僚等、いろいろな立場で関わってきています。

そんなプロセスのなかで、神経症になる神経質性格のことを、深く知り分けることになってきましたが、あまりに知っているからこそ、このブログに書くときに躊躇してしまうトピックも出てきてしまいます。
このブログの読者のかたに神経質のかたが多いと思うと、書くことをためらう場合があるのです。

さて、そんな神経質性格のことを時々「神経質あるある」というタイトルで書いていこうかなと思います。

今回は「なぜ私が書くトピックを選んでしまうか」について。

昔、神経質のグループの機関誌を編集していたとき、特徴的なクレームがありました。
たとえば、記事のなかに「統合失調症」「躁うつ病」などのことが書いてあると、クレームがくるのです。(もちろん一部のかたからですが)
「こんなことを掲載されると、自分がそうではないかと不安になるからやめてほしい」
この頃は「発達障害」というワードが世間でよく聞かれるので、「私は発達障害ではないか」と不安になる神経質の人も多いようです。

その頃のグループの編集員会では、これに困って「神経質以外のことは載せないほうがいいのか」と議論したことがあります。
そのときに「焼き魚の骨をとってあげるのはやめよう」という編集長の一言で、記事に制限はかけないようになりました。

たとえば、これは病名や障害名に限らないのです。
神経症の症状は様々ですから、自分の症状以外の事例が出ていると、「自分もそうなるのではないか」と恐怖に駆られ、森田療法の本が読めないかたもいらっしゃいます。
なんでも自分にひきつけて考えてしまうのです。

ところが不思議なことに、そのかたの症状がおさまって、神経症状態から抜け出すようになってくると、そういう訴えはあまりなくなります。

「自分」がしっかりしてきて、自分の外に目が向いてくるので、そこまで自分にひきつけて考えなくなるのでしょう。
自分のことがよくわかってくるのかもしれません。

ただ、不快な情報に対する耐性が低いのは、そのまま残ります。
これは症状の発生の部分に関わることですね。
これについてはまたそのうち書きましょう。

というわけで、このブログを細く長く続けていくうちに、私の中に無意識の取捨選択が働いてしまって、ちょっと窮屈感がある昨今です。

それほど窮屈に考える必要はないのかもしれませんけれどね。

スイレン
プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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