生まれる前に聞いた音
何年かに一回、自分の心をリセットしたいときに必ず聞きたくなる音楽があります。
自分の思考の流れが狭いところで淀んでしまったと思う時、長い間に煮詰まってきてしまったと思う時、この曲をふと思い出し、聞きたくなります。
マイク・オールドフィールド(Mike Oldfield) の Ommadawn 。
マイク・オールドフィールドは、日本ではなぜこんなにマイナーなのでしょうか。
彼は英国人。文字通りの「天才」です。
19歳のときに作曲した「Tubular Bells」一枚で、その頃まだ新興だったバージンレーベルを、大会社にまで興してしまったのです。
この「Tubular Bells」は、ホラーの古典「エクソシスト」でサントラに使われ、旋律をご存じのかたは多いのではと思います。
実に奇抜なアルバムで、モーツァルトを彷彿とさせる美しいメロディのあとに、男声の咆哮が入ったり、彼が「音」そのものと遊び、楽しんでいる感覚がうかがわれます。
「Tubular Bells」も「Ommadawn 」も、英国やヨーロッパでは、当時の売上一位を記録しています。
こういうアルバムがヒットチャートに入るなんて、日本では考えられないことですね。
音に対する感性が、日本とヨーロッパとではずいぶん違うんでしょうか。
あるいはレコード会社の販売促進商品が違うのでしょうか。
さて、マイク・オールドフィールドは、「Tubular Bells」から「Ommadawn」の三連作で、一躍トップアーティストになりましたが、なにしろまだ20代前半、人みしりの激しい無口な青年だったそうで、そのあと心理的な危機に陥りました。
彼はお母さんがアルコール依存症だったようで、ギターにのめりこむことで少年時代を乗り切ったようです。
彼は、有名になってからの心理的な危機を、とある精神療法を受けて乗り越えました。これはExegesisという聞いたことのない療法。どうも、今はもう行われていない療法のようです。
危機を乗り越えた彼は、外向的になり、饒舌になり、結婚し、突然ヌード写真まで撮ってしまったという大激変。
私としては「どんなの、その精神療法?」と気になるところですが、それはどうも自伝 「Changeling」に書いてあるようですので、そのうち読んでみましょう。
そして音楽も変化し、ポップスなども手掛けるようになりました。
YouTubeの動画でモンタレーでの演奏などを見ると、20代後半(?)の彼は、まさに硝子のような脆さと、完全主義とを体現したような青年です。
一緒に演奏しているバンドも緊張感たっぷり。
「音外したらただじゃおかない」という感じのピリピリした雰囲気を醸し出しています。
しかし、50代になった今の彼は、余裕たっぷり。
眉間のあたりにベートーベンの雰囲気を漂わせ、手強そうなロマンスグレーになっています。
あの時代の天才たちのように、お酒にもドラッグにも持って行かれなくてよかった、よかった!
天才は、長生きしなくてはいけません。
人類の宝ものなのですから。
で、「Ommadawn」です。
一説によると、Ommaはケルトの言葉で「たくさん」を表わすとか。そうすると、これは「たくさんの夜明け」ということになります。
また一説によると、この言葉自体が「馬鹿、まぬけ」という意味だとか。
しかし、間抜け ⇒ ナイーブ ⇒ イノセント と連想すると、この曲にはぴったりです。
どこかイノセントな匂い、余計な分別が付随しない原初の香りがします。
古代。 世界の始まり。 人類の夜明け。
私には何か、自分が生まれる前にいた世界のように感じられます。
あえて、絵の動かないYouTubeの演奏を貼ります。どんなイメージでしょうか?
(4つにわかれていますので、続きはYouTubeで)
ポップスでは、彼の最大のヒットはMoonlight Shadow でしょう。
これは、アルバム「Crises」のなかの一曲。ジョン・レノンの死んだ夜のことを歌ったものだという伝説のある曲です。(実際は違うということですが)
この曲にインスパイアされて、吉本ばななが小説を書いているそうです。
また日本では、遊佐美森が、マイクの影響を受けているということです。
もひとつ違う方面からの話題では、このMoonlight Shadowは、若者の間ではトランスにかかる曲として有名だそうです。
そうでしょうか?
私はかからない・・・というより、良い音楽を聞いているときの私は、いつもトランス状態かも・・・。
しかし、この曲も聞く人が聞けば、普通のポップスとは違うとわかるんでしょうね。
自分の思考の流れが狭いところで淀んでしまったと思う時、長い間に煮詰まってきてしまったと思う時、この曲をふと思い出し、聞きたくなります。
マイク・オールドフィールド(Mike Oldfield) の Ommadawn 。
マイク・オールドフィールドは、日本ではなぜこんなにマイナーなのでしょうか。
彼は英国人。文字通りの「天才」です。
19歳のときに作曲した「Tubular Bells」一枚で、その頃まだ新興だったバージンレーベルを、大会社にまで興してしまったのです。
この「Tubular Bells」は、ホラーの古典「エクソシスト」でサントラに使われ、旋律をご存じのかたは多いのではと思います。
実に奇抜なアルバムで、モーツァルトを彷彿とさせる美しいメロディのあとに、男声の咆哮が入ったり、彼が「音」そのものと遊び、楽しんでいる感覚がうかがわれます。
「Tubular Bells」も「Ommadawn 」も、英国やヨーロッパでは、当時の売上一位を記録しています。
こういうアルバムがヒットチャートに入るなんて、日本では考えられないことですね。
音に対する感性が、日本とヨーロッパとではずいぶん違うんでしょうか。
あるいはレコード会社の販売促進商品が違うのでしょうか。
さて、マイク・オールドフィールドは、「Tubular Bells」から「Ommadawn」の三連作で、一躍トップアーティストになりましたが、なにしろまだ20代前半、人みしりの激しい無口な青年だったそうで、そのあと心理的な危機に陥りました。
彼はお母さんがアルコール依存症だったようで、ギターにのめりこむことで少年時代を乗り切ったようです。
彼は、有名になってからの心理的な危機を、とある精神療法を受けて乗り越えました。これはExegesisという聞いたことのない療法。どうも、今はもう行われていない療法のようです。
危機を乗り越えた彼は、外向的になり、饒舌になり、結婚し、突然ヌード写真まで撮ってしまったという大激変。
私としては「どんなの、その精神療法?」と気になるところですが、それはどうも自伝 「Changeling」に書いてあるようですので、そのうち読んでみましょう。
そして音楽も変化し、ポップスなども手掛けるようになりました。
YouTubeの動画でモンタレーでの演奏などを見ると、20代後半(?)の彼は、まさに硝子のような脆さと、完全主義とを体現したような青年です。
一緒に演奏しているバンドも緊張感たっぷり。
「音外したらただじゃおかない」という感じのピリピリした雰囲気を醸し出しています。
しかし、50代になった今の彼は、余裕たっぷり。
眉間のあたりにベートーベンの雰囲気を漂わせ、手強そうなロマンスグレーになっています。
あの時代の天才たちのように、お酒にもドラッグにも持って行かれなくてよかった、よかった!
天才は、長生きしなくてはいけません。
人類の宝ものなのですから。
で、「Ommadawn」です。
一説によると、Ommaはケルトの言葉で「たくさん」を表わすとか。そうすると、これは「たくさんの夜明け」ということになります。
また一説によると、この言葉自体が「馬鹿、まぬけ」という意味だとか。
しかし、間抜け ⇒ ナイーブ ⇒ イノセント と連想すると、この曲にはぴったりです。
どこかイノセントな匂い、余計な分別が付随しない原初の香りがします。
古代。 世界の始まり。 人類の夜明け。
私には何か、自分が生まれる前にいた世界のように感じられます。
あえて、絵の動かないYouTubeの演奏を貼ります。どんなイメージでしょうか?
(4つにわかれていますので、続きはYouTubeで)
ポップスでは、彼の最大のヒットはMoonlight Shadow でしょう。
これは、アルバム「Crises」のなかの一曲。ジョン・レノンの死んだ夜のことを歌ったものだという伝説のある曲です。(実際は違うということですが)
この曲にインスパイアされて、吉本ばななが小説を書いているそうです。
また日本では、遊佐美森が、マイクの影響を受けているということです。
もひとつ違う方面からの話題では、このMoonlight Shadowは、若者の間ではトランスにかかる曲として有名だそうです。
そうでしょうか?
私はかからない・・・というより、良い音楽を聞いているときの私は、いつもトランス状態かも・・・。
しかし、この曲も聞く人が聞けば、普通のポップスとは違うとわかるんでしょうね。