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Born to run

私が最後に走ったのはいつのことでしょう。
それこそ遠い目になって考えてしまいます。

今、走るとしたら、信号が赤になる!というときに小走りになるだけ。
まったくスポーツ系の人間ではないので、そういう志向もありませんでした。

こんな自分がまさかランニングの本を読むなんて・・・

この本を勧めてくれたのは友人です。「絶対に面白いから!」 
その本とは「Born to Run 走るために生まれた」クリストファー・マクドゥーガル著

かなりのロングセラーのようです。
読み始めましたが、何とも読みにくい本です。
人の名前がたくさん、地名がたくさん、溢れてくるカタカナ文字。
マイルを頭のなかでキロメートルに換算しつつ読み・・
人名くらい一覧にしといてくれてもいいじゃないか・・・とぼやきたくなり・・

ところが、それなのに・・・

読みだしたらやめられない。


目からウロコの話ばかり満載です。
ランニングについての新しい知見、そしてウルトラマラソンのレース実況のようなリアリティ溢れる描写。
個性的なランナーたちが本のなかで生き生きと走ります。


知らないことばかりでした。

本の中心は、メキシコの山岳地帯にいるタラウマラ族という「走る民族」の話。
彼らはフルマラソンの何倍もの距離を、楽しみながら、身体のどこを痛めることもなく走るのです。
そのタラウマラ族と、米国のウルトラランナーたちとの競争がお話のフィナーレです。


それにしてもウルトラマラソン(普通のマラソンより長い距離を走るレース、100キロ以上のものもある)というものがあるということも初めて知りました。
そしてマラソンでは、距離が長くなればなるほど、男女差がなくなるそうです。
この物語のなかでも、ウルトラマラソンでタラウマラ族と最後まで競い合う女性ランナーが出てきます。


人間は「長距離走マシン」なのではないかという仮説も出てきます。
進化して二足歩行になった人間の最大の武器は「走る」ということではなかったのか。
人間は、古来から獣を走って追い詰めて狩りをしていたのではないか。
実際、今でもそういう狩りをしている部族があるといいます。


長距離ならば馬にも負けない!
米国には、50マイルの「マンアゲインストホースレース」というのがあり、人と馬が競争し、そしてここ何年かは人が勝っているといいます!
秘密は人間の呼吸にあるようです。

なるほど・・・日本の明治以前にあれだけ飛脚が活躍したのは、もしかして馬より早かったからでしょうか?


ではなぜ人間は走らなくなったのでしょう?
ランニングするとすぐ足を痛めるのでしょう?
それは「靴」に原因があるらしいのです。
ナイキやアディダスといったブランドの、エアーが入ったシューズは本当に足にいいのか?
そんな問題提起もあります。


とにかく先入観をくつがえされることばかり。


「走るために生まれたと思わないとしたら、あなたは歴史を否定しているだけではない。あなたという人間を否定しているのです」

「人は年をとるから走るのをやめるのではない。走るのをやめるから年をとるのだ」


読み終わると、走りたくなる―――そういう感想が多いのも納得。


あ、でも、私は急には走りませんよ。
年寄りの冷や水。
まずは歩くことからですね。


                 

                    

プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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