映画「永遠の僕たち」
ガス・ヴァン・サントという映画監督が好きです。
一番のお気に入りは「マイ・プライベート・アイダホ」。
これについては、またそのうち書いてみましょう。
それから「小説家を見つけたら」。
私はむしろ「グッドウィル・ハンティング」よりこちらのほうが好きです。
ショーン・コネリーがいい味を出しています。
「誘う女」の、ニコール・キッドマンの熱演も印象的でした。
これは「演技性人格障害」の女性を描いた映画です。
実話に基づいているとか。
この頃では「エレファント」。
これも、実話に基づいています。
米国で起きたコロンバイン高校乱射事件を描いたものです。
以前、この映画と、マイケル・ムーア監督の「ボーリング・フォー・コロンバイン」のDVDとを一緒に借りてきて、続けて見ました。
かなりの衝撃度でした。
あまり良い趣味とは言えず、お勧めできることではありません。
しかし、「エレファント」は説明や言語などにはあまり頼らず、事件までの日常を淡々と描いているのに比べ、「ボーリング・フォー・コロンバイン」では、マイケル・ムーアの過剰なまでの言葉での説明が対照的で、面白く見ました。
さて先日、去年公開された映画のDVD「永遠の僕たち」を見ました。
昨今の騒々しく、せわしなく、ストーリー過剰な映画に比べ、実に淡く、透明で、静かで、淡白な味わいです。
高校生イーノックは、両親を交通事故で亡くし、その時に自分も重症を負って臨死体験をします。それ以来不登校で、「死」に取り憑かれています。
毎日、他人の葬儀に参列するのが趣味。
そんな葬儀で出会った少女アナベル。
彼女はガンで余命三ヶ月です。
そして彼女の死まで二人の恋が始まります。
変わっているのは、イーノックの唯一の友達、ヒロシ。
彼はイーノックが臨死体験の時に出会った幽霊です。第二次大戦時の日本の特攻隊員。
終戦前に死んでいるので、広島、長崎のことも知らず、アナベルから原爆のことを聞いて落ち込んだりします。
三ヶ月の間、二人はヒロシとともに、実に可愛らしくいろいろなことをして遊びます。
そして当然訪れるアナベルの死。
その葬儀の席で、イーノックは、生きることの輝きに気づくのです。
とにかく、イーノックとアナベルが可愛らしい。
ヒロシ役の加瀬亮という人もいい。
英語がうまいです。
ガス・ヴァン・サントの映画は、いつも「余韻」が残ります。
余韻は作品によって様々で、ものすごく悲しかったり、不気味だったり、やりきれなかったり・・・・。
今回の「永遠の僕たち」は、切ない・・・というか、苦くない悲しみというか・・なんとも心地よい余韻です。
言葉でとらえきれないものを表現するのが、芸術とすれば、ガス・ヴァン・サントの映画は芸術的作品に近いのでしょうね。
最近のものは、ますますそうなってきている気がします。
この「永遠の僕たち」も、知性や言葉や概念ではなく、感性や感覚を通して、直接私の心に、生きること、死ぬことの事実を訴えかけてきたように思います。
秋の夜に、なんとなく浄化されたような気分です。


一番のお気に入りは「マイ・プライベート・アイダホ」。
これについては、またそのうち書いてみましょう。
それから「小説家を見つけたら」。
私はむしろ「グッドウィル・ハンティング」よりこちらのほうが好きです。
ショーン・コネリーがいい味を出しています。
「誘う女」の、ニコール・キッドマンの熱演も印象的でした。
これは「演技性人格障害」の女性を描いた映画です。
実話に基づいているとか。
この頃では「エレファント」。
これも、実話に基づいています。
米国で起きたコロンバイン高校乱射事件を描いたものです。
以前、この映画と、マイケル・ムーア監督の「ボーリング・フォー・コロンバイン」のDVDとを一緒に借りてきて、続けて見ました。
かなりの衝撃度でした。
あまり良い趣味とは言えず、お勧めできることではありません。
しかし、「エレファント」は説明や言語などにはあまり頼らず、事件までの日常を淡々と描いているのに比べ、「ボーリング・フォー・コロンバイン」では、マイケル・ムーアの過剰なまでの言葉での説明が対照的で、面白く見ました。
さて先日、去年公開された映画のDVD「永遠の僕たち」を見ました。
昨今の騒々しく、せわしなく、ストーリー過剰な映画に比べ、実に淡く、透明で、静かで、淡白な味わいです。
高校生イーノックは、両親を交通事故で亡くし、その時に自分も重症を負って臨死体験をします。それ以来不登校で、「死」に取り憑かれています。
毎日、他人の葬儀に参列するのが趣味。
そんな葬儀で出会った少女アナベル。
彼女はガンで余命三ヶ月です。
そして彼女の死まで二人の恋が始まります。
変わっているのは、イーノックの唯一の友達、ヒロシ。
彼はイーノックが臨死体験の時に出会った幽霊です。第二次大戦時の日本の特攻隊員。
終戦前に死んでいるので、広島、長崎のことも知らず、アナベルから原爆のことを聞いて落ち込んだりします。
三ヶ月の間、二人はヒロシとともに、実に可愛らしくいろいろなことをして遊びます。
そして当然訪れるアナベルの死。
その葬儀の席で、イーノックは、生きることの輝きに気づくのです。
とにかく、イーノックとアナベルが可愛らしい。
ヒロシ役の加瀬亮という人もいい。
英語がうまいです。
ガス・ヴァン・サントの映画は、いつも「余韻」が残ります。
余韻は作品によって様々で、ものすごく悲しかったり、不気味だったり、やりきれなかったり・・・・。
今回の「永遠の僕たち」は、切ない・・・というか、苦くない悲しみというか・・なんとも心地よい余韻です。
言葉でとらえきれないものを表現するのが、芸術とすれば、ガス・ヴァン・サントの映画は芸術的作品に近いのでしょうね。
最近のものは、ますますそうなってきている気がします。
この「永遠の僕たち」も、知性や言葉や概念ではなく、感性や感覚を通して、直接私の心に、生きること、死ぬことの事実を訴えかけてきたように思います。
秋の夜に、なんとなく浄化されたような気分です。