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共感と想像力

熊本で大地震。
まさかの九州でした。
地震でたいへんな思いをしているかた、お見舞い申し上げます。

今回は津波と原発事故がなかったので、救援活動が東北の時よりスムーズに行っているようです。
でも熊本は湧き水が良質だっただけに、今は濁ってしまって、水がなくてたいへんなようですね。

それにしてもなぜ川内原発は停止しないのでしょう。
原発恐怖症の私としてはハラハラしてしまいます。

そういえば今日はチェルノブイリ原発の事故から30年だそうです。
あの時は世界が終るかと思いました。
チェルノブイリでの被災は、ものすごいスケールだったようで、消火作業をした人たちがバタバタと亡くなっていったということです。
情報も装備もなかったのですね。

さて、ここからは「もしも・・」というSF的な発想の話になります。

日本の(あるいは世界の)地殻は今かなり揺れ動いているようです。
もし日本で地震が立て続けに起こり、各地の原発で事故が相次いだとしたら・・・日本は放射能に覆われ、人が住めない土地になる。
あるいは相次ぐ地震によって、国が立ちいかなくなる。
そうしたとき、私たちは「難民」になって、よその国に移住しなくてはならなくなりますね。

国にいれば死ぬのですから、必死になります。

ところが、近隣の諸国だって、あまりたくさんの人を受け入れることはできない。
国民から、自分たちの税金を使ってなぜ難民を受け入れる必要がある、という声も出るでしょう。

遠くヨーロッパで起こっていることも、こうやって自分の身に置き換えて想像してみると、もっとリアルに共感を持って見ることができるでしょう。
シリアから決死の覚悟で逃れてくる人のこともわかるし、受け入れ側の人道と現実との葛藤も理解できる。

「想像力」というものは、このように使えば「共感」と結びつきます。

遠くから批判しているだけでは、本当のところは何もわからない。
もちろん想像力を駆使しても、しょせん観念ですから、現実のカケラしかわかりません。

しかし「カケラ」でもいいのではないかと思います。

でもね、いくら想像力を働かせても「共感」まで行きつけない人もいます。

「確かに大変だろう。でも私はそんなことでパニックにはならない」
「どんなに困難でも、自分は人として毅然としているべき」
「あわてず騒がず、国のためにはわが身を捧げるべき」
そんなふうに考える人たちは、「共感」には行きつけません。

深い共感に行きつける人は、自分のなかのどんな感情にもアクセスできる人。
自分の感じる不安や弱さ、パニックやずるさ、そんなものを自分に許せる人のほうが、他者への共感が深いのだと思うのです。


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プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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