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依存症と強迫性障害の違い

強迫行為を伴う強迫性障害には、様々な症状があります。

一番よく知られているのが、洗浄強迫。
もうきれいになっているのは自分でもわかっているのに、手や身体を洗ってしまう。
その他にも自分の気のすむまで掃除をしつづける、果てしなく確認しつづける等の症状があります。

同じことをしつこく繰り返しておこなって、それをとめることができない状態です。

似たような症状に依存症というものがあります。これはアディクションとも言われます。
これも一つの行為を繰り返し、やめることができない。

こちらでよく知られているのがアルコール依存症。あるいはギャンブル依存症、薬物依存症、買物依存症、仕事依存症などです。
依存症と強迫行為は、明らかに違うように見えながら、どこが違うのかは判然としない部分があります。

多分、斉藤学先生の本にあったと思いますが、「依存症」には6つの特徴があり、それをすべて持つのが依存症と定義されるそうです。
①  反復性 ② 強迫性 ③ 衝動性 ④ 貪欲性 ⑤ 自我親和性 ⑥ 有害性
 
この6つの特徴で言うと、依存症と強迫行為の差はたった一つ。
⑤の自我親和性があるかないかということだということです。

つまり、依存症はその行為をしているうちは、高揚感があり、気持ちがいいのです。
しかし強迫行為は、自分で「こんなことをしているのはダメだ。なんとかストップしなくては」という切迫した感覚があります。違和感が強いのです。

そういう点で考えてみると、依存症の人が「こんなことをしてはダメだ、人生が破たんする」と思い始めたら森田療法適応になるのかもしれません。
しかしその行為が「気持ちいい」ことだけに、依存症からの回復にはなかなかむずかしいものがあります。
容易に元の状態に戻ってしまう。

さて、このように似たところのある依存症と強迫性障害。
共通して根源にあるのは、その人の「無力感」「自信のなさ」なのかもしれません。

しかし時々、強迫性障害などが苦しいあまり、依存症を併発してしまうかたがいらっしゃるのです。
それは主にアルコール依存。

対人恐怖が苦しくて、人のなかにいるときはお酒を飲んでしまう。
頭のなかに迫ってくる強迫観念が苦しくて、お酒でボーッとすることで紛らわせる。

お酒を飲む方は「少しぐらいならいいだろう」と思われるかもしれませんが、アルコール飲料というのは、非常に依存性が強い物質なのです。
飲んでいるうちに耐性がつきますから、どんどん量が増えていくということになりかねない。

それに、お酒を常飲していると、なんだかその人の「やる気」みたいなものが削がれていくような感じがします。
「これをやらなくてはならないけれど、ま、いいか」
「だるいから明日にしよう」

その人がせっかく持っている「欲望」がどんどんしぼんでいくように見えます。

つまり依存症の人と似たような傾向を持っているからこそ、気をつけないといけない。

ただこれも特徴的なのですが、強迫性障害のかたは、いったんドクターストップがかかるとアルコールをやめるのは早い。
「このまま飲んでいると、死にますよ」などと言われるとスパっとやめる。
つまり強い「死の恐怖」がストッパーになるわけです。

「死の恐怖」がないといういうことほど、こわいものはない。
そういうのを「虚無感」というのでしょうか。

なんとかして生きていこうという欲求、最後の瞬間までよりよく生きたいという欲求。
捨てたくないものですね。


コスモス

プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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