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決断は後悔をともなう

10日のピアセミナーを終え、若干気が緩んでいます。
セミナーでは、たくさんのかたがたに来ていただき、ありがとうございました。

このセミナーでは、「東洋的一元論と森田療法」そして、森田療法のなかにある逆説的要素について、お話ししました。

単なる治療法としての森田療法というより、そのもっと深いところにあるもの、言ってみれば究極の森田療法みたいなところを話しましたが、理解がむずかしかったかもしれません。
もっとも頭で理解する世界ではないので、「森田療法にはこんな境地があるんだよ」ということを提示しただけですが・・。

さて、話題を変えましょう。

ちょうどそのセミナーの質問の時間に「選択と決断」についてお尋ねになったかたがいました。

以前にも少し決断について書きました。

自分の意志での決断を迫られる場面は、人生で何度もあります。

受験、就職、転職、結婚、離婚 等々。
どうしていいかわからずに迷い、悩み、悶々とするかたも多いと思います。

ここでひとつ押さえておくべきことは、「後悔のない決断はない」ということです。

決断に過剰に悩む人は、もしかしたら「最上の、非の打ちどころのない、リスクのない」結果を求めているのかもしれません。

ところが、どちらを考えてもリスクはいっぱいある。
リスクの少ない方をと考えても、そもそも何かを変えるための決断であれば、必ずリスクを伴うものです。

そのリスクばかり恐れると「行くも地獄、とどまるも地獄」のような心境に陥りがちです。

そんな心境になってしまうのは、もしかしたら「全部がほしい」からなのかもしれません。

こちらを選べば何かを得られるけれど、失うものもある。あちらを選んでも同じ。
つまり、決断はしたいけれど何も失いたくないのです。

「最良の決断」のようなものがどこかにあると思っている。

わかりやすく単純に言えば、結婚だってそうです。
いいことばかりではありません。
独立した大人として、責任を持ち、二人で生活を営んでいく。
一人でいるより、プライバシーがなく、我慢することも多くなります。

では結婚しないという決断はどうでしょう?
自由ですし、自分のお金は全部自分で使えます。束縛もない。
けれど、孤独感もつきまとう。
老後の自分はどうなるのだろうと不安になる。

どっちの決断でもリスクはあります。
決断に迷う人は、責任をとって大人として我慢するのもイヤ、でも時折感じる孤独もイヤ、将来の孤独死などのことも考えてこわい。

何かを選び、決断をするとき、別にどれをとってもいいのです。
ただ、選んだ結果のリスクをしっかり自分で引き受けさえすればいいのです。

そのリスクを負うのがいやで、何かもっとよい道があるのではないか、それを探し続け、迷い続けて、結局人生が停滞する。
停滞しているその「時間」が一番もったいない気がします。


法隆寺1

法隆寺
プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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