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未来のことはわからない

前回のブログを書いたときに補足を書こうと思っていたのですが、何かと忙しく、今になってしまいました。

前回、いやなこともそのままに・・・などと書きましたが、それを読んで「なんだ、森田療法をやっても気持ちはすっきりしないんだな」と、やる気がそがれてしまったかたもいるかもしれません。

「症状はそのままに」「いやな気持はそのままに」と言葉で書くと、あたかも本当に「そのまま」でしかいられないと思われるかもしれません。

けれど、言葉では「そのまま」なのですが、実は、これを実践してみると予想しなかった変化が起きるのです。
いやな気分も症状も、以前のままではなくなります。

これが、森田療法の逆説と言われる部分です。
むずかしいのは「それなら、これをやっているといい気持ちになるんだな」と、そこを目指すと、また症状や気分をはかる態度になり、いつまでも同じままです。

ただ、先のことはわからないけれど、今の現実に生きるという態度で毎日を生きていくしかない。
そうすると、自ずから変化が表れるのです。

「未来のことはわからない」というのは事実。
それでも、いろいろな予測をして心配するというのは、誰にでもあることです。
未来を予測するというのも、もちろん、人間にとって大切な能力です。

心配だから災害に備えて準備をするとか、締め切り近くになるとあわててしまうから、今、やっておこうということは、当たり前のことです。

でも時には、この未来予測が自分の心の微細な動きにまで及び、心配するかたもいます。
「今これをやると、きっと将来後悔したり、心配したり、思い煩うことになるに違いない。だったら、やらないでおこう」
こういう心配は、自分の良心がとがめることに手を出さないということになって、役に立つ部分かもしれません。
けれど、心配の対象によっては、積極的行動を妨げることもあります。

強迫的な方の場合、こんなふうに考えることもあります。
「これをやらないと、ずっと強迫的に思い煩うに違いない。だから今やってしまおう(強迫行為など)」

未来の自分の心境まで心配して、今をコントロールしようとする態度です。
そのかたの心のなかでは、疑問もなく、ごく当たり前のことになっている場合もあります。
そしてこの心のなかのやりくりがまた、症状を強化していきます。

自分の心がどう流れていくかは、測り知れないこと。
そこはもう「まかせるしかない」という世界です。

つまり、そこは「わからない」部分。
だからわからないままにしておく。
そして自分の心は大丈夫だと、すこしだけ信じてみる。

それが「まかせる」ということなのだと思います。


住友ビル2019

新宿・住友ビル

プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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