肩の力を抜いて
暮れに、斎藤学先生のレクチャーを聴きました。
(斎藤先生のことは皆さまご存知と思いますが、依存症、児童虐待、ACの治療の日本での先駆者です)
大学院やカウンセリングで、先生にはずいぶんお世話になりました。
久しぶりにレクチャーを聞いていて、気づかされることが多く、肩の荷がおりた気がしました。
ずっと以前、初めて斎藤先生の講演を聞いたときには、本当にびっくりしました。
内容ではないのです・・・。
その話し方です。
お話は、テーマがどこに行ってしまったかわからないほど、あちこちにそれて行きます。
結局何を言っていたのかわからない時もあります。
基本、ご自身が好きな話題を、好きなように話しているように見えます。
なぜ私がびっくりしたかというと、私はその頃、生活の発見会の事務局にいて、その気風にすっかり染まっていたからです。
とにかく皆さん「○○でなければいけない」「こうしなくてはダメ」という価値観のかたがた。発表をなさるときも分秒刻みに計算して、原稿を読み上げるようなスタイル。
催し物の運営なども分秒刻み。
一つの手落ちもあってはならない、という圧迫感、緊張感がいつもありました。
発見会の外で斎藤先生のような講話を聴いたとき、「これでもいいんだ」という感慨とともに、自分自身がいかにそういう集団的「かくあるべし」「こうでなければならない」のなかでガチガチになっていたのかが明瞭に自覚できたのです。
ひるがえって、このところの自分のやっていることを見ると、どうも肩に力が入りすぎているような気がします。
「ふんわり」「ゆっくり」という感触からは、遠のいていたようです。
ブログにしても「役に立つことを書かなければならない!」的な気負いがこのところ目立っていました。
本当は、自分の読書について、もっと軽い話題についてなども書きたいのに、書くと長々と力が入ってしまっています。
肩の力を抜いて、あまり役に立たないかもしれないけれど、私が書きたいことを書く。
もっと短くても、頻繁に書く、などのことを目指してみようかと思う年初です。
今年もよろしくお願いいたします。
写真、T.H様提供