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脳と天災

令和2年7月豪雨災害に遭われたかた、お見舞い申し上げます。
まだまだ雨が降り続いている様子、お気をつけてお過ごしください。

タイトルの「天災」は、「天才」の誤字ではありません。
天災と脳とは関係があるかもしれないという話です。

新しく設けられた公認心理士試験のための講習会を受けた時、講師の精神科医のかたが、人体のなかで「脳」は未だに「暗黒大陸」だということをおっしゃいました。

つまり、人体の他の部分のことはかなり解明されているし、それにともなって病気の治療法も進歩しているが、人間の「脳」の機能は解明が難しく、脳に起因する病気もなかなか治療がむずかしい、ということでした。

だからでしょうか、「脳」科学に関する読み物はたくさん出版されています。
未知の領域、脳のことをもっと知りたいという気持ちがあるのでしょうね。

そのなかで興味を惹かれたのが、日本人の脳の特質の話。
これは中野信子氏の著書で知りました。ごく易しい脳科学のトリビアを書いた本です。
(「脳はどこまでコントロールできるか」ベスト新書)

この本のなかに出てくる話。
人が新鮮な刺激を好むかどうかは、ドーパミン受容体のタイプ4(DRD4)に関係しているのだそうです。この受容体の配列の繰り返し回数が多いと新しいもの好きになります。日本人ではこの繰り返しタイプが2回~4回の人が圧倒的に多いのですが、欧米人は7回の人が多い。つまり日本人は、おだやかな現状維持の生活を好む人が多く、欧米人は失敗しても新しいものを求めて挑戦する人が多い。これは、このDRD4の特質のせいではないかということです。

そしてまた、日本人はセロトニントランスポーターの数が少ないタイプが65%、多いタイプが3%ですが、米国の人は少ないタイプが19%、多いタイプが32%いるそうです。
セロトニンは幸福ホルモンと言われています。日本人はセロトニン不足の人が多いことになります。
よく、日本人は電車のなかでものすごく暗い顔をしていると言われますが、なんとなく納得です。

なぜ日本人の脳がこういう特質を持つようになったかのか。
日本という国土には地震や台風、水害や噴火などの自然災害が多く、いつも最悪の事態に備えて緊張していなくてはならない。そういう歴史に脳が適応しているのではないかという仮説があります。

そして確かに、前人未到の地に分け入って開拓を続けなくてはならなかった米国人は、チャレンジが好きでポジティブな脳の人が生き残ったと言えます。
つまり、その環境に適応的な心身の人が生き残っていって、その民族特有の体質・気質(脳の特徴)が獲得されるということなのでしょう。

自分がいつも不安だったり、臆病だったりするのは、このような脳の特質のせいなのかもしれません。
そうだとしたらなんだか損ですね! 
誰だって自然にポジティブに考えられる脳のほうがいいに決まっています。

けれどそういう楽観的な脳だと、きっとこの災害列島では生き残れないのでしょう。
そういう特質はそれなりの働きがあり、メリットもあるのです。
臆病な人のほうが長生きという研究結果をどこかで目にしたことがあります。
当然ですね。
コロナが流行ったら必死でマスクをしますもの。

けれどこういう特質も環境によって変化することが可能。
脳には可塑性があり、人間の遺伝情報がどのように発現するかも、環境に左右されるそうです。
まだまだ脳やDNAにはわからないことが多く、好奇心をかきたてられますね。


プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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