脳もDNAも変化する
前回のブログで、日本人の脳にはセロトニンが少ないなど、遺伝的な要素を書いたところ、がっかりなさったかたもいたようです。
これだけの情報で終わるというのも無責任なので、いろいろな書物からの寄せ集めですが、脳内物質や遺伝子の変化について、書いてみます。
前回書いたように、日本人には幸福ホルモンと言われるセロトニンの分泌量が少ない。
けれど、セロトニンを日常的に増やす方法は、ネットで検索すればいくらでも出てきます。
セロトニンを増やす方法として、こんなものがあげられています。
*太陽の光を浴びる。一日15分から30分でいい。
*十分な睡眠をとる。
*適度な運動をする。特にリズミカルなものがいい。(ウォーキング、ランニング、ダンスなど)
*セロトニンの材料となるたんぱく質をとる。
また遺伝子自体の働きも、変化させることが可能という話もあります。
私たちの身体には約60兆個の細胞があり、その一つ一つに同じ遺伝情報(ゲノム)が含まれている。
細胞の遺伝子(DNA)に含まれる遺伝情報は30億個。全細胞は皆同じ遺伝情報を持っているのだそうです。
そして人には約2万個の遺伝子があります。
ところが身体の細胞ごとに、その役割は違ってきます。
同じ遺伝子を持っていながら、筋肉の細胞と髪の細胞とでははまったく違う働きをしている。
その違いは、細胞の中の遺伝子がオンになったりオフになったりすることで生まれてくるようになっているのだそうです。
人体というのはこういう複雑な設計図で動いているのですね。
すごいことです。
で、もっとすごいのは、この遺伝子のオン・オフを操作することで病気を治すという技術がもう実用化されつつあるということです。
すでに「遺伝子組み換え技術」は実用化されているのですが、遺伝子自体を変えることなくこのオン・オフを切り換えることで病気を治すのだそうです。
つまり例をあげれば、オフになっている「癌抑制遺伝子」をオンにすることで、癌の悪化を食い止めたりするということです。
このオン・オフを調節する人体のしくみをエピゲノムと言い、この技術はエピゲノム編集と言われます。
ここまでのことを解明し実際に応用できるまでにした人間の知力もたいしたものです。
言ってみればこれも、人間の持っている遺伝子のおかげですけれどね。
(このエピゲノム編集の詳細は「Newton 2018年8月号」に掲載されています)
さてその人がもともと持って生まれた遺伝子のオン・オフの情報は、実はその人が生きていく環境、栄養状態、ストレスなどによって変わってくるのだそうです。
そうです。遺伝子も変化するのです。
そういう要素で遺伝子が変化するのであれば、眠っていた良い遺伝子を、オンにして目覚めさせることも可能。
そんな趣旨の本を書いているのが、遺伝学者・村上和雄氏です。
「生命の暗号」などの本で有名ですね。
人間は、本来の可能性のほんの一部しか使っていないそうです。
村上氏が提唱する眠っている良い遺伝子をオンにする方法は、基本、ポジティブシンキングのようですが、それは著書をお読みになってみてください。
けれど、環境、栄養、ストレスでオン・オフが変化するのなら、良い環境、十分な栄養、ストレスを減らすことが良い変化を呼ぶのだと推測されます。
また村上氏は、これだけの壮大で精緻な生命体の構造を目の当たりにすると、何か「サムシング・グレート」のような存在を考えざるを得ないと言っています。
この「サムシング・グレート」は、宗教で言う「神」であり、森田療法で言う「自然」なのかもしれません。
興味にまかせて書きましたが、まだまだ世の中には知って面白いことがたくさんあります。
巣ごもりの期間は、知的興味を充たす時間としても使えそう。
それにしてもこれほどの知力を持った人間が、なぜコロナウィルスに、ここまで手こずっているんでしょう!
注・この記事は鬱病や神経症の治癒について書いたものではありません。
これだけの情報で終わるというのも無責任なので、いろいろな書物からの寄せ集めですが、脳内物質や遺伝子の変化について、書いてみます。
前回書いたように、日本人には幸福ホルモンと言われるセロトニンの分泌量が少ない。
けれど、セロトニンを日常的に増やす方法は、ネットで検索すればいくらでも出てきます。
セロトニンを増やす方法として、こんなものがあげられています。
*太陽の光を浴びる。一日15分から30分でいい。
*十分な睡眠をとる。
*適度な運動をする。特にリズミカルなものがいい。(ウォーキング、ランニング、ダンスなど)
*セロトニンの材料となるたんぱく質をとる。
また遺伝子自体の働きも、変化させることが可能という話もあります。
私たちの身体には約60兆個の細胞があり、その一つ一つに同じ遺伝情報(ゲノム)が含まれている。
細胞の遺伝子(DNA)に含まれる遺伝情報は30億個。全細胞は皆同じ遺伝情報を持っているのだそうです。
そして人には約2万個の遺伝子があります。
ところが身体の細胞ごとに、その役割は違ってきます。
同じ遺伝子を持っていながら、筋肉の細胞と髪の細胞とでははまったく違う働きをしている。
その違いは、細胞の中の遺伝子がオンになったりオフになったりすることで生まれてくるようになっているのだそうです。
人体というのはこういう複雑な設計図で動いているのですね。
すごいことです。
で、もっとすごいのは、この遺伝子のオン・オフを操作することで病気を治すという技術がもう実用化されつつあるということです。
すでに「遺伝子組み換え技術」は実用化されているのですが、遺伝子自体を変えることなくこのオン・オフを切り換えることで病気を治すのだそうです。
つまり例をあげれば、オフになっている「癌抑制遺伝子」をオンにすることで、癌の悪化を食い止めたりするということです。
このオン・オフを調節する人体のしくみをエピゲノムと言い、この技術はエピゲノム編集と言われます。
ここまでのことを解明し実際に応用できるまでにした人間の知力もたいしたものです。
言ってみればこれも、人間の持っている遺伝子のおかげですけれどね。
(このエピゲノム編集の詳細は「Newton 2018年8月号」に掲載されています)
さてその人がもともと持って生まれた遺伝子のオン・オフの情報は、実はその人が生きていく環境、栄養状態、ストレスなどによって変わってくるのだそうです。
そうです。遺伝子も変化するのです。
そういう要素で遺伝子が変化するのであれば、眠っていた良い遺伝子を、オンにして目覚めさせることも可能。
そんな趣旨の本を書いているのが、遺伝学者・村上和雄氏です。
「生命の暗号」などの本で有名ですね。
人間は、本来の可能性のほんの一部しか使っていないそうです。
村上氏が提唱する眠っている良い遺伝子をオンにする方法は、基本、ポジティブシンキングのようですが、それは著書をお読みになってみてください。
けれど、環境、栄養、ストレスでオン・オフが変化するのなら、良い環境、十分な栄養、ストレスを減らすことが良い変化を呼ぶのだと推測されます。
また村上氏は、これだけの壮大で精緻な生命体の構造を目の当たりにすると、何か「サムシング・グレート」のような存在を考えざるを得ないと言っています。
この「サムシング・グレート」は、宗教で言う「神」であり、森田療法で言う「自然」なのかもしれません。
興味にまかせて書きましたが、まだまだ世の中には知って面白いことがたくさんあります。
巣ごもりの期間は、知的興味を充たす時間としても使えそう。
それにしてもこれほどの知力を持った人間が、なぜコロナウィルスに、ここまで手こずっているんでしょう!
T・H氏撮影
注・この記事は鬱病や神経症の治癒について書いたものではありません。