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神経質あるある  イヤな感覚が増幅する

神経質のかたは、「イヤ」とか「嫌い」とかいう感覚に悩まされることが多いようです。
イヤならイヤ、嫌いなら嫌いでいいのですが、どうもこの感覚が強烈すぎて、嫌っている側なのに、自分のほうが苦しんでいるような感じになります。

強迫神経症のかたにとても多いお悩みなので、書いてしまいますが、周囲(職場とか仲間とか)の「誰か」のことがとても気になってイライラするというかたがいます。

その「誰か」にハラスメントをされたとか、嫌なことをされたとか、それなら嫌いになるのもわかります。
それは当然のことだと思います。
ところが別に何の利害関係もない人なのに、嫌いなのだそうです。

それも、ちょっと「イヤ」どころではなく、その人が部屋に入ってくるだけでも不愉快になるという強烈な嫌悪感。

なぜなのかお聞きすると、その人の話し方がイヤ、咳払いがイヤ、笑い方がイヤなどの理由をあげられます。
わからないでもない。
けれど、それだけでそこまで人が嫌いになるものだろうかと、不思議な気にもなります。

あるいは人間だけでなく、嫌いなもの、苦手なものがテレビに映るだけで、チャンネルを変えてしまう、テレビを消す。
そんなことがあるので、面白いドラマやいい映画を見られなかったりします。
たとえば、手術シーンがあるから、医療ドラマは見られないとか・・・。
誰にでもあることかもしれませんが、そういうことが極端な気がします。

そうなってくると、それがどんどん広がり、イヤなものから逃げるために自分の知識の範囲や生活範囲を狭めたりすることになります。

症状だって、もとはそういうことから始まっているのですが、症状に限らず、生活全般にそういう傾向があります。

お話をお聞きしていると、その嫌悪感は、どうもちょっとやそっとのものではなさそう。
鳥肌が立つくらいの嫌悪感とおっしゃるかたもいます。

つまりはその嫌悪感のために、自分が一番苦しむのですね。

なぜそうなるのでしょう。
最初にちょっと感じた「イヤさ」は、多分他の人と同じ程度なのだと思います。
ところが、(これは無意識のうちに行われることですが)その「イヤさ」に気づき、そしてその不快感を避けようとし、そのために精神交互作用が起きて、ますますそのイヤさを増幅させてしまったのだと思います。

神経質のかたの感覚の鋭敏さには、こういう側面があります。
かといって楽しい感覚が増幅されるかどうかはわかりません。
イヤな感じだからこそ、そこに注目してしまうのでしょう。

では、どうしたらいいのか? お決まりの問いです。(笑)

多分その答えは前回のブログに書いたことと同じになるかもしれません。
何においても「全体」「目的」を見る努力をしてみる。

その人の声が嫌いだけれど、職場でその人とはどういう目的で接しているのか。
その人は職場でどんな役割の人なのか。

ちょっと苦手なものが出てくるけれど、この映画のテーマは何なのか?
その部分さえ我慢すれば、結構面白い映画だったり、心に残る映画だったりすることもあるのです。

イヤなものを避けてばかりいると、どんどん世界が狭くなります。
神経質の人には苦手なことかもしれませんが、ちょっとは我慢して、あえて全体を見る、目的を見る、テーマを見ていくと、今までよりもう少し楽な気持ちでいられるようになるかもしれません。

スカイツリーと満月

相談室からのスカイツリーと満月の眺め
プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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