読書の方法二つ
「読書の秋」という言葉をあまり聞かなくなりました。
多分私が書店に出向くことが少なくなり、たいていのものはアマゾンで買ってしまうようになったからかもしれません。
そういう広告を目にしなくなったのでしょう。
書店では「読書の秋」たけなわなのでしょうか??
本日は本の読み方を論じる本を二冊ご紹介。
まずは「読書の技法」(佐藤優著)です。
これは「いかに本を読むか」「どうやって本に書いてあることを取りこぼさず、自分の知識として蓄え、活用するか」の本です。
書物との真剣勝負。熟読の技法です。(速読の技法も書いてあります)
本は自分で買う。
そして、シャーペン、消しゴム、ノートを準備して読む。
最低3回読む! (もちろん大事な本だけですよ)
難解な本への取り組み方、文脈のつかみかたなど、懇切丁寧です。
何よりもこの本を読むと「勉強しよう!」「しっかり本を読もう!」という気になってきます。
今までの自分の本の読み方がおざなりだったな・・という気にさせられます。
さて、もう一冊は「乱読のセレンディピティ」(外山滋比古著)です。
セレンディピティ(Serendipity)とは、「思いがけないことを発見する能力」のこと。
最初この本を手にとったとき、なんだかサクッと読める軽い本のような気がしました。
ところが読んでみると大違い。
読みやすい文章ながら、新鮮な見方がたくさん盛り込まれていて、含蓄のある本です。
この本の主張は前出の読み方と真逆です。
乱読のすすめ。
本を読むときはノートなどとるものじゃない、「風のごとく、さわやかに読んでこそ、本は面白い意味をうち明ける」というのです。
知識信仰への異議というのでしょうか。
「知識、そして、思考の根をおろしているべき大地は、人間の生活である。その生活を大切にしない知的活動は、知識の遊戯でしかない。いくら、量的に増大しても、生きていく力とのかかわりが小さい」
ちょっと森田正馬が言いそうな言葉。
つまり、この本は「生きる力」を発見するための読書術についての本です。
余談ながら、最後に著者・外山滋比古氏が90代の人であることを知り、びっくりしました。
文章がさわやかで若々しい。
アイディアも、その説き方も、とても90代のかたが書いたとは思えません。
この本の最後に90代で若々しくいる秘訣も書いてあります。
もちろんこの二冊、どちらの読み方がどうこうというわけではありません。
前著は、もと外交のプロとして、国際状況を読み解くという、大きな目的意識を持って読書している方が書いた本。
後のものは、英文学者、編集者として、文学畑で活動してきた方の本。
こういうフィールドでは、確かに「乱読」は必要な気がします。
どっちの読み方にしろ、面白い本に出会いたいと思う季節です。



多分私が書店に出向くことが少なくなり、たいていのものはアマゾンで買ってしまうようになったからかもしれません。
そういう広告を目にしなくなったのでしょう。
書店では「読書の秋」たけなわなのでしょうか??
本日は本の読み方を論じる本を二冊ご紹介。
まずは「読書の技法」(佐藤優著)です。
これは「いかに本を読むか」「どうやって本に書いてあることを取りこぼさず、自分の知識として蓄え、活用するか」の本です。
書物との真剣勝負。熟読の技法です。(速読の技法も書いてあります)
本は自分で買う。
そして、シャーペン、消しゴム、ノートを準備して読む。
最低3回読む! (もちろん大事な本だけですよ)
難解な本への取り組み方、文脈のつかみかたなど、懇切丁寧です。
何よりもこの本を読むと「勉強しよう!」「しっかり本を読もう!」という気になってきます。
今までの自分の本の読み方がおざなりだったな・・という気にさせられます。
さて、もう一冊は「乱読のセレンディピティ」(外山滋比古著)です。
セレンディピティ(Serendipity)とは、「思いがけないことを発見する能力」のこと。
最初この本を手にとったとき、なんだかサクッと読める軽い本のような気がしました。
ところが読んでみると大違い。
読みやすい文章ながら、新鮮な見方がたくさん盛り込まれていて、含蓄のある本です。
この本の主張は前出の読み方と真逆です。
乱読のすすめ。
本を読むときはノートなどとるものじゃない、「風のごとく、さわやかに読んでこそ、本は面白い意味をうち明ける」というのです。
知識信仰への異議というのでしょうか。
「知識、そして、思考の根をおろしているべき大地は、人間の生活である。その生活を大切にしない知的活動は、知識の遊戯でしかない。いくら、量的に増大しても、生きていく力とのかかわりが小さい」
ちょっと森田正馬が言いそうな言葉。
つまり、この本は「生きる力」を発見するための読書術についての本です。
余談ながら、最後に著者・外山滋比古氏が90代の人であることを知り、びっくりしました。
文章がさわやかで若々しい。
アイディアも、その説き方も、とても90代のかたが書いたとは思えません。
この本の最後に90代で若々しくいる秘訣も書いてあります。
もちろんこの二冊、どちらの読み方がどうこうというわけではありません。
前著は、もと外交のプロとして、国際状況を読み解くという、大きな目的意識を持って読書している方が書いた本。
後のものは、英文学者、編集者として、文学畑で活動してきた方の本。
こういうフィールドでは、確かに「乱読」は必要な気がします。
どっちの読み方にしろ、面白い本に出会いたいと思う季節です。