名誉欲

森田正馬は、こんなことを言っています。
「僕は長になりたくない。政治家や成金なども、むしろ軽蔑している (中略)しかし自分がちょっと自覚が足りないと、実際には、自分が長になりたくないのに、なりたいような気がする。それは自分の思想の間違いから起こることである」(森田全集5巻)
こんな趣旨のことを、自分の例をまじえながら言っています。

また別のところでは「名誉欲は下等な野心である」とまで言っています。(全集4巻)
欲望に対しては肯定的な森田にしては、珍しい発言です。

つまり、人間だから誰でも「長」のつく役職や名誉は得たい。
けれど、その仕事がしたいからその役職を得たいのかというと、そうでもないこともある。
ただその名前だけがほしくて、実はその役職にともなう仕事はしたくないということもあり得るわけです。
森田正馬が問いかけているのは、あなたは本当は何がしたいのか、ということです。

なぜこんな話を持ち出したかと言うと、トランプ氏のニュースを見ていたから。

どこかの新聞が以前書いていたのですが、トランプ氏は今まで、どんなことをしてもほしいものを獲得してきた。
だから、自分のキャリアの最終目標として大統領という名誉ある「肩書き」がほしいだけなのではないか、ということでした。

なんとなくそんな気がします。
だから、アメリカ合衆国の大統領という重い荷物を背負う覚悟はないのかもしれない。

そんなことを、英会話教師の米国人女性に言ったら、「ヒラリーだってそうなのよ。彼女はスピーチのなかで、米国で初めての女性大統領になってレジェンドを作る、って何回も言うの。結局自分がレジェンドになりたいだけみたいでいやな感じがしたわ」ということ。
でもクリントン氏は少なくとも政治経験はありますからね。

しかし米国では、大統領は宣誓してからは絶対に憲法に違反する言動はしてはいけないそうなので、彼も今までのような差別的な発言はできないし、してしまったらきっと相当大変なことになるのでしょう。
彼は多分1年ぐらいしかもたないという人も多いですね。

ただ、問題なのはそこではないかもしれません。

身のまわりのグループ、組織をご覧になるとわかるかもしれませんが、集団というのは、そのリーダーの色に染まるものなのです。
どんな人がリーダーかで、その組織の雰囲気は変わってくる。

もちろん同調しない人もいます。
でもリーダーのありかたは、微妙にその組織に反映されるのです。

もう米国では、いろいろな事件が起こっているようです。

どれもが、差別的ないじめだったり、問題になったトランプ氏の差別的発言をなぞったような事件ですね。
たとえトランプ政権が短命に終わっても、このようなリーダーが出たことによって、社会の混乱は増すでしょう。

犠牲になる人もたくさん出てくるのではないでしょうか。

そもそも世界の情勢はどう変わるのか、不安になってしまいますね。


ライト

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プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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