すねる人

以前、「からまれたときどうするか」という記事を書きました。
世の中にはいろいろな「困った人」がいるものです。
本日は、そんな「困った人」シリーズ(?)二回目・・・・なんて、シリーズ化なんてするかどうかわかりませんが。

「すねる」という行動があります。
その言葉で思い浮かぶのは、気に入らないことがあったときに相手を無視するとか、相手に口をきかないなどの行動。
あるいはミーティングなどで、自分の意見が通らなかったり、本当は出席したくなかったりのときに、あからさまにやる気のない態度を見せること。
そういうのが「すねる」という行動です。

これは、受動攻撃的態度というふうに言われます。
「受動攻撃」というのは、「なにかをやらないことで、相手を攻撃すること」。

会いたくない人のところに行くときに大幅に遅刻するとか、いやな仕事をわざとゆっくりやるとかいう行動になって表れます。

つまり本当は「イヤ」とか「No」とか言いたい、しかし言えないときにこういう表現になるわけです。

外から見ると、幼い態度とすぐわかるのですが、本人は怒りをこういう形で表します。
そして時には、すねると逆に気をつかってもらえたりする余得がある(場合もある)。

当然のことながら、自己主張が下手な日本人には多い表現形態かなと思います。
「話し合う」とか「反対されてもいいから意見を言ってみる」「NOという」ことが苦手なのですね。

「幼い人」と思ってしまえば、それはそれでいいのですが、困るのはこういう人が母親だったりするときです。

実はカウンセリングにもこういうかたがたくさん来室されます。
つまり「すねる人」を母に持ってしまった人。

「小さい頃、母は私がなにか悪いことをすると、口をきいてくれなくなる。無視されるんです」と、おっしゃいます。

そうすると、子どもの心にどんなことが起きるでしょう。
子どもは一生懸命、「きっと私は何か悪いことをしたんだ」と、自分の悪いところを探します。でもはっきりとはわからない。非常に不安になります。
自分のあそこが悪いのかしら、ここが悪いのかしらと考えていると、自分を否定しながら眺めていることになります。

大人になると、まったく自信の持てない人になります。

母親にこんな態度をとられても、あまり響かない子もいます。
人の心を読んで行動するという習慣のない子には、影響が少ないかもしれません。
でも繊細で、相手の顔色を読むのに長けた子は、もろに悪影響を受けます。

子育てをしているときには、子どもを叱る場合も出てきます。
でも、大切なのは、その子を全否定しないことです。
「○○をしたから怒っているんだ」と具体的に指摘すると、それは子供の全体を否定したことにはならない。
けれど、何かに怒って無視すれば(母がすねれば)、子どもにとっては全否定されたも同然。
「自分のどこかに悪いところがあるんだ」という確信につながります。

無視されるということは、こわいことです。
たとえば「いじめ」での「無視」もこわいものがあります。
思春期の子は、まだ「私は私」という強さなど育っていない場合がほとんど。
そんなときにクラスで無視されたりしたら、大きな心の傷になって残るでしょう。

無視されたり、すねられたりしたときには(自分が被害者である場合は)、「これは自分の問題ではなく、相手の問題だ」と認識することです。

たしかに何か自分がしでかしたのかもしれない。
そんなときには、「口で言ってくれなくてはわからない」とこちらが主張するべきです。
もちろんこれは大人になってからならできることですが、小さい子はなんでも自分の責任と思ってしまう傾向がありますので、なおさら注意しなくてはならないことです。

そして、もしかして自分がこういう受動攻撃的なことをしていたかもと心当たりがあったかた、自分の意見を言葉で発信する練習を始めましょう。

対立がこわいかもしれない。
でもそれが本当に「人と関わる」ということなのです。


枝


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母の影響

夫の母が腹が立つと黙ってしまうタイプだったそうです。夫に言わせると「本当に恐かった」と。
一方母に口と手で攻撃されながら育てられた私は溜めがなく感情をぶつけるタイプ(でした、と言いたい・笑)。
なので結婚して最初の大きな夫婦喧嘩で夫を泣かせてしまいました。一方的に文句をまくし立てられる経験がなくショックだったようです。ポロポロと涙を落として泣く姿に唖然としました。可哀想なことをしました。
どちらの親も良くない感情表現ですね。私も夫もそれぞれ違う形で人間関係に苦労しました。夫婦関係においても。
今は激動の時期を経て落ち着いています。お互いに何かを学んだような。
本当は余計な苦労なのですが私達には必要だったのだと思えるようになりました。

主人への無視

私は母に反抗できませんでした。結婚して母からやっと離れ自由になれると思ったのに今度は主人の暴言!主人に反抗できず子供には反抗されっぱなしでした。
今は私が主人を無視しています。私が機嫌がいいと途端に主人からの攻撃が来るので不機嫌にしているのが防御法です。
1人で家にいる時が1番安心していられます。でもたまに寂しくなります。

Re: 母の影響

みき様 コメントありがとうございます。なるほど、そういう背景もおありだったんですね。それでもお互いの理解が進んで現在は落ち着かれているということ、人間の関係って(あるいは自分自身のことも)本当に不思議。考えてもいなかった地点に到達するということがあるように思います。良い春ですね。

Re: 主人への無視

ひまわりさん コメントありがとうございます。なるほど、対人関係が侵入されるか無視するかということになっていたのですね。そして誰かを無視するということは、その人との関係を断つわけですから自分が孤立することにもつながるわけですね。何かうまい落としどころがあるといいんですが。

無視

私は、すねる人とか他人を無視する人に対してできるだけ関わらないようにしている。また、別の見方をするとその人を「無視」しているのかもしれない。それは、自己主張が苦手なためだと思う。
今回の記事は、ふだん考えていなかったことなので参考になりました。

Re: 無視

sugi様 コメントありがとうございます。確かに関わらないほうがいい人もいますね。向こうが無視しているんですから、こっちが「いい人」になる必要もないかもしれません。他の人との関わり方は人それぞれですし。
プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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