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放射能の話 その1

(この記事は、すべてAさんご本人の了承を得て公表しております。)

Aさんは、被爆二世。もう成人し、独立した二人のお子さんがいます。東京近郊在住。
彼女は、あの3月11日から今までの間に、ご自身の身体に様々な変調を体験してきました。
そして、そのプロセスのなかで、「被爆二世」としての自分と向かい合い、放射能と向かい合うことを余儀なくされたのです。


Aさんのお母さまは、広島に原爆が落とされた爆心地から2キロのところに住んでいました。
その日、お母さまが命を長らえたのは、ちょうどその時間に家にいて、出かける前のお化粧をしていたからだそうです。
出勤していたら、命はなかったかもしれません。

その4年後にAさんが生まれました。
そのお母さまもAさんも現在、健在でいらっしゃるということは、放射能の影響などないかのように思われます。
しかし、本当に影響は皆無なのでしょうか。


Aさんが生まれたときに、その皮膚の黒さにお母さまはびっくりしたそうです。
Aさんは、小さい頃から肘などが黒く、ご自身の妊娠中には目の下にすごく黒い隈ができたそうです。
そして幼少期から、原因のわからないアレルギー症状に悩みました。
鼻血もよく出していました。
インフルエンザのときには、口からドロッとした血の塊を出して気持ちが悪かった覚えがあります。
腎臓、肝臓の弱さ、生理不順、ばね指、身体の様々の小さな不調に悩まされ続けていました。


それだけでなく、人並みはずれた身体の敏感さもあったようです。
排気ガス、粉塵、光化学スモッグなど、そんなことが世間の話題になる前に、呼吸器が「息苦しい」と感じるのだそうです。


Aさんは、そんな身体の不調に対して、試行錯誤し、結局自分の身体には化学物質(薬)は合わないようだと感じて、自分なりの自然な養生法で現在までを乗り切ってきました。
たとえば、生理のときは、髪を洗わない、入浴しない(経血をとめずに出しきるため)とか、クーラーは使わない、身体に無理をしない、眠い時には寝る、等です。


「自分の不快を観察して、快を保つ」と、自分の身体に向き合ってきたのです。
二人の子育て、夫のことなど、身体の具合の悪い時には整体やヨガをしながら、今日までやってきました。


しかしAさんは、自分が被爆二世であることは、あまり意識していませんでした。
1987年に被爆者二世健康手帳を、お母さまが取得して手渡してくださったそうです。
けれど、半年に一回の検診もだんだん行かなくなって、昨年手首を骨折し、レントゲン過多の心配があってまた検診を始めたばかりだったということでした。


ところが、今年3月11日の東北大震災、そして福島第一原子力発電所の爆発があったあたりから、Aさんの身体に変化が現れてきました。


身体に出てくる様々な症状に対処し、観察しているうちに、徐々に「自分のこの症状は、もしかしたら放射能のせいではないかしら」「自分の身体は、放射能に対してサリンのカナリヤのように反応しているのではないか」と思い始めたのです。


そして、そのときに自分が「被爆二世」であるという事実を改めて自覚し、もしかしたら今まで長い間かけて養生してきた身体の不具合は、すべてそこに帰結するのではないかと愕然としたのです。


Aさんは、娘さんの漠とした身体の具合の悪さにも、長年悩んでいました。
診察を受けても、はっきりとした病名はつかず、そのため治療法もありませんでした。
もしかしたら・・・と、Aさんは思い始めています。

(つづく)
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プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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