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放射能の話 その3


ここからは、私の考えになります。

Aさんのエピソードをブログに載せるのをためらっていました。
放射能が世代を越えて影響している事例を開示することは、現在被爆しているかたがたへの差別につながるかもしれない。
そして被爆している人たちの不安を増すだけなのかもしれないと逡巡しました。

そんな事実は、できるだけ人に知られないようにしたほうがいいのかもしれない。
そういう思いと、しかしこれは「事実」なのだという思い。
葛藤しながらも「でも、やはり・・」という思いが勝ちました。
私たちは「事実」を知る必要がある。
そして「事実」から出発する必要があるのです。
砂糖をまぶしたような「現在の放射能量では、健康に影響ありません」などという喧伝ではなくて・・・。


Aさんの話から、私は二つのことを知りました。
ひとつは、関東地区の草木土が、もうかなりセシウムに汚染されているのではないかということ。
そしてもうひとつは、世代間で放射能の影響が現れるということです。

数日前に、文部科学省から、関東地区の地表面へのセシウム沈着量が発表されました。
やはりAさんの身体が警告したとおり、地表にはかなりの量のセシウムが沈着している地域があるようです。
遅すぎます。
これはもっと早く調査され広報されてよかったことだと思います。
思ったとおり、関東一円、おそろしく広範囲に放射能がばらまかれたことが一目瞭然でわかります。


あの3月の地震後、関東地区の私たちは大本営発表の「影響はない」という言葉ばかり聞かされていたような気がします。
あの時期、なるべく屋内にいるようにとか、マスクは必ずするようにとか、雨にあたらないようにとか、そういう警告は皆に行き渡る形であったのでしょうか?
原発がメルトダウンしていることすら公表されていなかったのです。
安全を強調してパニックを回避する必要はあったのでしょうが、こういう方法で身を守りなさいという広報をもっと強力にしてほしかったと思います。

もう子どもたちはグラウンドで遊んでしまったでしょうし、農作業をしてしまった人も、素手で草むしりをしてしまった人もいます。

どうやら私たちは、自分で自分の身を守っていかなくてはならないようです。
自分の力で情報を得て、自分で考え、判断し、家族や自分を守っていかなくてはならないのだと思います。
日本人には「行政がなんとかしてくれる」という依存性があるのではないでしょうか。


さて、放射能の次世代への影響のことです。

このAさんのケースで、やはり次世代にひびくのか・・・とがっかりなさったかたもいるかもしれません。

しかしものごとはいろいろな方面から見ることができます。

私には、Aさんのお母さんが、爆心地から2キロのところで被爆して、現在、癌にも白血病にもならずに長生きしていらっしゃることが奇跡のように見えます。
そういうことも可能なのです。
そしてAさんも、癌や白血病とは無縁です。
もちろん、様々な名づけようのない不快な症状には悩まれていますが・・・。

もうひとつはAさんの養生法です。

彼女の毎日の過ごし方は、徹底的に自然に即したものです。
ご自身の内なる自然と、環境という大自然です。
そういうふうに過ごすことで、身体は余計な負担を被らず、その人にとってベストの健康度を発揮するのかもしれません。

前にも出ましたように、ご自身の生理周期をよく把握して観察していらっしゃいました。
排卵のとき、生理のときには各々の過ごし方があるようで、それに即して生活していらっしゃったようです。
男性のかたや、生理のないかたは、月の満ち欠けで身体の状態を見ればいいのだそうです。(新月=排卵、満月=生理)
私はそういうことにあまり詳しくはないのですが、そんなふうにご自身の身体の状態をよく観察し、無理のない生活に努めていらっしゃったようです。

それはある意味、簡単なことなのかもしれません。眠いときには、それなりの理由があるのだからちょっと昼寝をするとか、疲労感を覚えたら休む。
現代の忙しい生活のなかで、無理なかたもいらっしゃるかもしれませんが、つまりできるだけ健康的な生活をするということです。

そしてアレルギーや風邪などに対しても、あまり薬を使用することなく、自然の経過にまかせていらっしゃるようです。

人間の身体には、有害なものを排出する力があります。
風邪で熱が出たり鼻水が出たりしても、風邪であるなら安静にしていれば治ります。有害なものを食べれば下痢をし、嘔吐します。
私たちはときとして、そのような身体の自然な働きに対しても、むやみに薬を使って抑制してしまっているのかもしれません。

それを考えれば、放射能だって身体にとって「異物」なので、ある程度は排出できるのではないかと、考えられます。
既にそのことに関しては、様々な本や指南書が出ているようですが・・・・。
もちろん、それですべてが解決というわけではないと思いますが、私たちは自分の身体や生活様式に合った方法で、自分自身で被爆と闘わなくてはならない状況にあるのです。
特に子どもや若い世代を家族に持ったかたは、真剣に考えなくてはならないことだと思います。

一説によると、健康な生活をし、玄米、みそ汁、梅干しを食べていれば、放射能は排出できると言います。(「あなたと健康」9月号)
特に「梅干し」の効果については、証明されていて論文もあるようです。

放射能の人体への影響については、まだまだ未知の部分もあるでしょうし、原発関連ですので補償という問題がからむと、公表されない部分も出てくるでしょう。
しかし、私たちは、他人まかせではなく、自分たちの知識・感覚で、自分や子どもたちを守っていかなくてはなりません。
「得体のしれないもの」に対処する恐怖感というものはあると思いますが、まずは、自分の身体を信じる。そして人間の自然良能を信じることから始めるしかないような気がします。


そんなふうに、このAさんの事例は、私たちにいろいろなことを教えてくれているようです。
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プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

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