fc2ブログ

今年もお世話になりました

あっという間に今年最後の日になりました。

今年はコロナ明けのせいか、何かいろいろ気ぜわしく過ごした気がします。
直接ご来室なさるかたも増えました。
学会なども、今までオンラインだったのが、以前通りの皆が集まる開催形式に戻ったり・・。
外出して人と会うことも増えました。

今年はカナダ・バンクーバーで国際森田療法学会が開催されました。
残念ながらバンクーバーまでは行けませんでしたが、オンラインで参加、発表させていただきました。
そうやって森田療法を考える機会を与えられ、今年森田について個人的に、改めて強く感じたことがあります。
当たり前と言われるかもしれませんが、森田療法って徹底的に「事実」に基づいているんですね。

「事実」と言っても、非常にベタな事実です。
「私は身長〇センチで、人前で固くなる」という例を森田はあげています。
自分としてはこんなに背が低いのは心細い、だからせめてもう少し背が高いと思いたい。
あるいはこんなに気が小さいと認めるのは浮かぶ瀬がないので、せめて朗らかにふるまえば、いいのかもしれないと思う。(全集5-600頁より意訳)

つまりここでいう「事実」とは、自分ではどうすることもできないもの。
自分ではコントロール不可能なものなのです。

コントロール不可能なものは、そのまま認めるしかない。
しかし、人間として限られた範囲ですが、コントロール可能なものがある。
それは「動き」「行動」です。
だから人間はそこに注力していくしかない。

たとえば、「前向きな行動をしていれば、気持ちも前向きになりますよ!」と言うのも、厳密に言えば、違いますよね。
前向きな行動はできるけれど、それで気持ちが前向きになるとは限らない。
よく読むと、森田はそんなことは言っていない。
どんな結果になるかわからないけれど、私たちにできるのは、行動していくことだけ。
それを森田は「努力即幸福」という言葉で表しました。
結果はどうなるかわからないけれど、目標に向かって努力していくことが、私たちのできることであり、その努力のなかにこそ生きている感覚がある。

試験には落ちるかもしれない。(これは自分のコントロールの範囲外)
しかし合格しようと一生懸命努力したことは、自分の人生に残るのです。

「自然に服従し、境遇に柔順なれ」もそういうことかもしれません。
自分のコントロールできないものについてはそのままに、自分の周囲の状況には臨機応変に対応していく。

ここで重要なのは、何がコントロール可能で、何が不可能かということです。
そこを見極めることが大事。
(何もかもコントロール不可能だから、すべてあきらめる、ということではありませんよ!)

これはちょうど、AA(アルコホーリクス・アノニマス)で唱えられる「平安の祈り」と同じです。

「神様、私にお与えください
自分に変えられないものを、受け容れる落ち着きを
変えられるものは、変えてゆく勇気を
そして、二つのものを見分ける賢さを」


今年もありがとうございました!

5322


雑司ヶ谷・鬼子母神境内

関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

本年も宜しくお願いします

岩田先生、はじめまして。
長年心気症、不安神経症に悩んで来た今年還暦を向かえる神経質者です。

先生の本にも苦しい時に救われまして、勇気を出して一度電話をしてみた事も有る私です(繋がりませんでしたが)。
それからも少しずつ人間的に成長も図ってまいりました。

神経質や臆病はどうしたって有りますが、だいぶ素直になって自然に受け入れることも多くなって楽になりました。

こちらのブログも時折拝読させていただいてきましたが、新年を迎え、一つの節目としてコメントしてみようと思いました。

これからもブログ楽しみにしておりますので、ご健勝でよろしくお願いいたします。

2024年もブログの記事を楽しみにしています。

長谷川洋三先生は、生活の発見誌に「行動が性格をつくる」と投稿されていました。また、菊池真理さんに贈呈された色紙に「行動が可能性を拓く」と書かれていました。
行動することは、大切だと思います。
それで、1月に大野裕先生監修の「こころのスキルアップ・トレーニング」の有料会員に登録しました。今年は、認知行動療法について少しずつ学習していこうかと考えています。

Re: 本年も宜しくお願いします

英様 コメントありがとうございます! 勇気を出してコメントいただき、うれしいです。ご自身の変化がはっきりわかるのは、励みになりますね。お電話も留守電に入れてくだされば、折り返します。今年もよろしくお願いいたします。

Re: 2024年もブログの記事を楽しみにしています。

sugi様 コメントありがとうございます。確かに心の修養だけでは何も変わりませんね。いろいろな治療法について学習なさるのもいいと思います。必ず何か発見があると思います。あるいは森田療法を客観的に見る手助けになるかもしれません。今年もよろしくお願いいたします。
プロフィール

Author:岩田 真理
心理セラピストをしています。臨床心理士。
昔は編集者をしていました。

森田療法が専門ですが、ACや親との問題は体験的に深いところで理解できます。
心のことだけでなく、文化、社会、マニアックな話題など、いろいろなことに興味があります。

もしも私のカウンセリングをご希望でしたら、下のアドレスにメールをください。
info@ochanomizu-room.jp

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
FC2カウンター
フリーエリア
    ↑ 悩んでいる人のための森田療法解説書                           
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR